2004/03/08●公明新聞より
鳥インフルエンザ 公明が緊急申し入れ
早急に感染防止、支援強化を/飼育者に異常時の報告徹底せよ
自治体に鶏処分費用を財政支援/中堅の外食事業者も支援対象に


▲福田官房長官に対し、鳥インフルエンザ対策の緊急申し入れを行う冬柴幹事長ら
 公明党の鳥インフルエンザ対策本部(本部長=冬柴鉄三幹事長)の冬柴本部長は5日、首相官邸に福田康夫官房長官を訪ね、高病原性鳥インフルエンザ対策に関する緊急申し入れを行った。
 これには、同対策本部の山名靖英副本部長、白保台一事務局長、江田康幸衆院議員が同席した。

 申し入れでは、(1)早期発見、まん延防止体制の構築(2)防疫体制の強化(3)新型ヒトインフルエンザウイルスの発生防止対策(4)自治体に対する財政対策の強化(5)中小・中堅企業に対する支援(6)風評被害の防止――を要請。
 この中で、まん延防止対策については、一定規模以上の養鶏農家に対して、死亡数を1週間ごとに報告することを義務付けたことに加え、「鶏を飼っているすべての世帯に、何らかの異常を発見した時は直ちに報告することの徹底」を要望。

 また、移動制限命令を受けた養鶏農家から大量に出ている感染鶏、鶏卵、鶏ふんの処分については、埋却(まいきゃく)に加え、焼却も検討するよう求めた。さらに、移動制限地域内の他の農家に対して、家畜伝染病予防法の改正も含めて検討し、損失補てんを行うよう要請。防疫面では、外国からの感染を防ぐため、空港での検疫体制の強化を求めた。 新型ヒトインフルエンザの発生防止については「新型インフルエンザワクチンの日本での早期開発」や、豚に鳥とヒトインフルエンザが同時感染すると遺伝子が交換されて新型ウイルスが発生する恐れがあることから、夏場だけ行われている豚の血清検査を流行時も行うよう求めた。
 このほか、被害が出始めている鶏肉料理店や焼き鳥店などの中堅外食事業者に対する支援措置も要請した。

 これに対し、福田官房長官は、申し入れた項目を一つひとつ確認しながら、「具体的な提案がなされており、適切な議論の場でしっかり対応していきたい」と述べた。

 これに先立ち、公明党の鳥インフルエンザ対策本部は同日午前、国会内で会合を開き、緊急に取り組むべき対応策を協議した。会合では、農林水産省や厚生労働省などのの担当者から現状の取り組みについて報告を受け、意見交換した。


高病原性鳥インフルエンザ対策緊急申し入れ 全文
 公明党の鳥インフルエンザ対策本部が5日、小泉純一郎首相あてに緊急申し入れを行った対策の全文は次のとおり。

 鶏の大量死を招く鳥インフルエンザが拡大し、生産者、消費者の不安は著しく増大している。鳥インフルエンザを早急に封じ込めて感染防止を図るとともに、損害を受けた事業者等への支援を強化することが必要である。
 政府は、鳥インフルエンザ対策の実施に当たっては、左記の諸対策を十分踏まえ行うこと。

■ 早期発見、蔓延防止体制の構築
(1) 蔓延防止は、早期発見が最も重要である。農林水産省は一定規模以上の養鶏農家に対し鶏の死亡数を一週間ごとに報告することを義務付けたが、それに加え、自治体の協力を得て、鶏を飼っているすべての世帯等に対し、何らかの異常を発見した時は直ちに報告するよう徹底すること。
(2) 移動制限地域で毎日発生する膨大な卵や鶏ふん等の処分で周辺農家は大変困っている状況にある。現在の感染鶏、滞留鶏卵、鶏ふん等の埋却に加え、安全な運搬の確保を前提に焼却についても検討すること。
(3) 移動制限地域内では、毎日膨大な量の卵が生産されるが、移動の制限のため、販売ができず、収入も得られない。そこで、鳥インフルエンザの特性にかんがみ家畜伝染病予防法において、滞貨損失補てんが行えるようにすること。

■ 防疫体制の強化
(1) 鳥インフルエンザ発生地域の自治体は、感染した大量の鶏の処分や移動制限地域内の消毒等に多くの関係者が動員されているが人手不足が著しい。さらなる自衛隊の出動も含め、人員の手当てを責任をもって行うこと。また、消毒薬の不足等にも早急に対応すること。
(2) 鳥インフルエンザの原因、感染ルートは不明であるが、渡り鳥や野鳥の疑いもあり、野鳥の調査を早急に行うこと。また、外国からの感染を防ぐため、空港等における検疫を強化すること。

■ 新型ヒトインフルエンザウイルスの発生防止対策
(1) 防疫従事者へのヒトインフルエンザワクチン接種と健康状態の監視を強化すること。また、豚における鳥インフルエンザウイルス感染状況の調査を強化するため、現在、夏場だけ行われている血清検査に加え、流行時の検査を追加すること。
(2) 新型ヒトインフルエンザワクチンを早期に開発すること。弱毒化に必要なリバースジェネテックス法に関する特許問題を解消すること。ワクチン候補株確立のための研究開発体制を強化すること。合理的な国内の臨床試験計画を策定することで、臨床試験の迅速化を図り、開発企業への支援措置を含め、早期製造承認のための体制を強化すること。
自治体に対する財政対策の強化
 鳥インフルエンザ発生自治体は、鶏の処分や消毒、移動制限地域内の損失補てん等で財政が圧迫されている。このため、自治体の財政負担に対する支援策を講じること。

■ 中小・中堅企業に対する支援
 鶏料理店や焼き鳥店等の外食事業者や食肉小売店は、大きな影響を受けている。中小企業等に対しては融資対策等を講じているが、これを一層充実するとともに、中小企業に属さない中堅企業に対しても支援措置を講じること。

■ 風評被害の防止
 風評被害を防止するため、鳥インフルエンザに対する正しい知識や、卵・鶏肉等の安全性についてあらゆる媒体を活用し、国民に対する周知徹底を図ること。