2004/08/11●公明新聞より
アレルギー対策強力に
省庁横断的取り組みを要望/党PT

 公明党アレルギー疾患対策プロジェクト(江田康幸座長=衆院議員)は11日、衆院第一議員会館で2005年度予算概算要求に関する要望を各関係省庁に対して行った。
 これには江田座長と上田勇衆院議員、渡辺孝男参院議員が出席した。

 席上、江田座長は国民の3人に1人が何らかのアレルギー疾患を持つ現状を指摘し、アレルギー対策の推進には「厚生労働省一省にとどまらず省庁横断的な対策が必要」と強調。
この日参加した厚労省、文部科学賞、総務省などの各省庁に対し、党のアレルギー政策を説明し、予算確保に努めるよう求めた。

 具体的には、国と自治体が協力したアレルギー専門医の育成や、すべての保健所への相談員の配置、学校での健康教育推進などを要請した。

< 要望書全文 >
2004年8月11日 
関係府省庁 御中 

2005年度予算概算要求に向けた重点施策(第一次)
―アレルギー対策の推進(詳細)―
公明党アレルギー疾患対策プロジェクト 
座長  江田 康幸 

 国民の3人に1人は何らかのアレルギー疾患を持っており、最近では、20歳代前半の若者の9割がアレルギー予備軍とも報告されている。現代の国民病ともいわれるこのアレルギー疾患については、厚生労働省一省に止まらず省庁横断的な対策が必須である。

 特に、今後のアレルギー疾患対策における重要課題は、患者に正しい情報を提供し、適切な診断・治療を行う地域の体制づくりにある。最新の「治療ガイドライン」に沿った診断・治療を受ければ、大半の患者は症状をコントロールできるにも拘らず、地域の体制が整備されていないが故に、不適切な情報や治療に苦しむ患者があまりにも多い。

 この課題に対応するためには、国と自治体が協力して、アレルギー専門医を育成し、地域の基幹病院に配置するとともに、国の「免疫異常政策医療ネットワーク」との連携を確立し、さらには全ての保健所等にアレルギー疾患相談員を配置し、学校での健康教育を進めるなど、地域でのアレルギー対策の推進が重要である。

 よって、2005年度予算編成にあたっては、以下の重点施策につき、所要の予算確保に努められるよう、要請する。


1.「アレルギー疾患対策本部(仮称)」の設置(内閣官房)

 内閣の下に「アレルギー疾患対策本部(仮称)」を設置し、中長期的な「アレルギー制圧10ヵ年戦略」等を策定して関係省庁の連携を図り、効果的な対策を実施する。


2.研究体制と医療提供体制の拡充(厚生労働省・文部科学省・総務省)

1> 基礎研究と臨床研究の連携強化
(国立病院機構相模原病院の臨床研究センターと免疫・アレルギー科学総合研究センターとの連携)
及び根本治療法の開発促進(厚生労働省・文部科学省)
2> アレルギー専門医(認定医、認定専門医、認定指導医)の育成促進(厚生労働省)
3> 地域の基幹病院(国立病院機構および公立病院等)への専門医の配置とアレルギー科の設置促進(厚生労働省・総務省)
4> 国の「免疫異常政策医療ネットワーク」と地域の基幹病院との連携強化
(厚生労働省・総務省)
5> 地域のかかりつけ医の研修と「免疫異常政策医療ネットワーク」との治療連携
(厚生労働省)
6> 救急隊への専門病院ネットワーク情報の提供(厚生労働省・総務省)
7> アレルギー診療のインフォームドコンセントへの診療報酬の設定(厚生労働省)
8> 検査および治療用アレルゲンエキスの安定供給体制の確立(厚生労働省)
9> 化学物質過敏症の研究・治療施設を有する転地療養所の整備(厚生労働省)


3.情報提供と相談体制の充実(厚生労働省)

1> 食物アレルギーを含めた「四疾患相談員養成研修会」の方面別開催などによるアレルギー疾患相談員養成の推進(県市主催も推進・600人体制の前倒し)
2> 全ての保健所、保健福祉センターへのアレルギー疾患相談員の配置
3> 国立病院機構や保健所等に相談窓口の
「アレルギー疾患情報センター(仮称)」を設置
4> 病院の広告規制の緩和とアレルギー専門医(学会認定医等)の表示促進
5> 関係機関(保健所、保健福祉センター、アレルギー科をもつ公立病院)への
専門医療機関・専門医名簿、最新治療ガイドライン(医師向け、患者向け)の設置
6> 地域のアレルギー協会や公健協会との連携強化
7> 乳幼児検診の見直し(アレルギー疾患への対応強化)


4. 学校でのアレルギー対応の充実(文部科学省・厚生労働省)

1> 学校関係者(校長、教諭、体育教諭、養護教諭、栄養士、調理員)へ研修の実施
2> 専門医による校医への研修実施、最新治療ガイドラインに基づく
「校医のためのアレルギーQ&A」などの教材作成と配布
3> 食物アレルギーに対応できる給食体制づくり
(人員、設備の充実、専門医との連携)
4> 学校検診におけるアレルギー検診の実施と専門医との連携強化
5> 総合学習や保健教育でのアレルギー疾患教育の実施(基幹病院との連携)
6> PTA活動を利用した啓発活動


5.食の安全の確保(厚生労働省・農林水産省・文部科学省)

1> 食品材料の表示義務化を24品目に拡充(厚生労働省)
2> 遺伝子組換え食品の表示義務化と適正表示の推進(厚生労働省・農林水産省)
3> 学校給食における食品材料の表示奨励と代替食の提供推進(文部科学省)
4> 外食産業における食品材料の表示奨励の推進(厚生労働省)



6.健康的な大気環境の実現(環境省・国土交通省・農林水産省)

1> 都道府県ごとの総量削減計画(NOX,SOX,DEP,PM等)の実施 (環境省)
2> 低公害車の技術開発の促進(国土交通省)
3> スギ花粉発生予測体制の整備および品種改良や間伐によるスギ花粉発生の抑制
(環境省・農林水産省)



7.人にやさしい健康住宅の提供
  (国土交通省・厚生労働省・経済産業省・農林水産省・文部科学省)

1> 化学物質の室内濃度基準値の策定と建築基準法などの関連法規の整備―ホルムアルデヒド、クロルピリホス以外の化学物質への対応促進(国土交通省・厚生労働省・経済産業省・農林水産省)
2> 化学物質フリー住宅の建設推進のための特別融資制度の拡充(国土交通省)
3> 公共施設(学校・保育園・幼稚園等)の室内濃度総点検の実施と
「学校等環境衛生基準」の策定・遵守(文部科学省・国土交通省・厚生労働省)
4> 学校・保育園・幼稚園の校舎等の建設・改造における化学物質対策への国庫補助の拡充(文部科学省・厚生労働省)