2004/09/16●公明新聞より
薬害被害救済が大きく前進
急制度創設前(1980年)の患者にも手当/公明の粘り強い主張が実る
厚労省が方針


▲桝屋副大臣(当時)に医薬品の副作用被害者の救済を強く申し入れる公明の衆参国会議員と患者ら=2001年10月10日 厚生労働省
 厚生労働省はこのほど、医薬品の副作用による被害救済制度の創設前に遡り、被害を受けた患者に対して、「謝金」という形で手当を支給する方針を決めました。

 これまで厚労省は「制度創設前には遡って適用しない」という方針を貫いてきましたが、事実上、制度創設前の被害者に救済の道が開かれることになります。

 当面、対象としている副作用の事例は、ライ症候群(嘔吐、意識障害、痙攣などが主な症状。極めて死亡率が高い)とスティーブンス・ジョンソン症候群(激しいアレルギー症状や失明などの後遺症をもたらす。最悪の場合は死に至る)の二つ。9月中に検討会を立ち上げ、対象の拡大も含めて具体的な検討に着手する方針です。

 新たに検討を始めるのは、重症でまれな副作用被害を受けた患者の生活向上やサービス提供のための調査研究で、症例が少ない制度前の患者も対象とし、研究協力への謝礼という趣旨での支給を想定しています。謝金の支給は現行の救済制度とは別に、保健福祉事業として位置付ける方向で検討を行います。金額は薬害エイズ感染者の調査研究で謝金として支払われている月額5万2000円もしくは3万6000円を参考に検討が進められる見通しです。

  医薬品の副作用に対する救済制度は、サリドマイドやスモンといった医薬品の副作用による重い健康被害の発生を教訓として、副作用被害の救済給付を迅速に行うシステムとして1980年にスタート。病院などでの投薬や、薬局で購入した医薬品を適正に使用したにもかかわらず、重い副作用の被害が生じた場合、医薬品の製造業者からの拠出金をもとに、独立行政法人・医薬品医療機器総合機構が医療費や障害年金、遺族年金などの給付を行っています。
 しかし、同制度創設以前に医薬品の重い副作用被害を受けた患者に対しては、これまで救済するシステムがなく、制度の谷間で苦しむ人々の切実な声が公明党に届けられていました。

 その先頭に立って行動してきた山名靖英衆院議員は、2001年10月10日、薬害のライ症候群後遺症によって重度の障害を負った患者らとともに桝屋敬悟厚労副大臣(当時)を訪ね、同制度による障害年金の支給を強く申し入れました。また、党の厚生労働部会に設置した医薬品副作用被害者救済制度検討小委員会(江田康幸委員長=衆院議員)が同月18日に初会合を開き、厚労省側に制度創設前の救済を要請。スティーブンス・ジョンソン症候群についても、江田衆院議員が患者会などからの要望をもとに、救済適用に全力を挙げて取り組んできました。

 坂口力厚労相(公明党)も同年11月19日の参院行政監視委員会で山本香苗参院議員が救済制度の受給対象拡大を求めたのに対し、「現行制度では難しいが、報いる方法を検討している」と前向きに答弁していました。

 公明党は、これまでも血液製剤などの生物由来製品の感染症被害救済制度の創設や、安全確保を第一に考えた医療品の小売販売などの実現を推進してきています。

被害者の生活向上に全力
党医薬品副作用被害者救済制度検討小委員会委員長 江田康幸

 現行の医薬品副作用被害救済制度では、医薬品製造事業者の社会的責任に基づく保険制度であることから、1980年の制度創設前に発症した被害者は救済の対象外とされてきました。

 公明党はこの問題で苦しむスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)やライ症候群の患者・家族の皆さんの命の叫びにこたえようと、多くの国会質問や厚生労働省への申し入れ等を通して、被害者の救済を訴え続けてまいりました。

  今回初めて、厚生労働省より、制度創設前に発症した被害者に対して、現行制度とは別に保健福祉事業として救済する方針が示されました。これによって、患者・家族の皆さまの長年の要望が実現に向かい、被害者救済が大きく前進することになります。

 公明党は、今後も、本保健福祉事業の円滑な立ち上げを推進するとともに、被害者の生活向上や医療支援をさらに充実するための総合的な福祉施策に全力で取り組んでまいります。