2005/06/10●公明新聞より
基礎研究の充実強化を
科学技術基本計画で申し入れ/人材の確保・養成も/井上政調会長が棚橋担当相らに

▲棚橋科学技術担当相(中央)に申し入れを行う井上政調会長(左隣)ら  公明党の井上義久政務調査会長は9日、中央合同庁舎4号館に棚橋泰文科学技術担当相を訪ね、2006年度から5年間の科学技術政策の方針を定める第3期科学技術基本計画の策定について、公明党としての提言(中間報告)を申し入れた。

 これには、斉藤鉄夫、山名康英、江田康幸の各衆院議員と、浜田昌良、浮島智子の両参院議員が同席した。

 この中で、井上政調会長らは、第3期科学技術基本計画における重要施策について党内のプロジェクトチームで検討を重ねてきたことを説明。
 その上で提言の柱として、研究者の自由な発想による基礎研究の充実・強化と、優秀な人材の確保・養成の二つを掲げ、強く要望した。

 さらに、強調すべき重要施策として(1)総合科学技術会議の機能の充実・強化と立法府において科学技術を専門に審査する委員会の設置(2)政府研究開発投資額の目標として第2期基本計画の目標値を上回る適切な目標値の設定(3)魅力ある環境整備の推進――など6項目を申し入れた。

 これに対し棚橋担当相は「貴重な提言であり、しっかりと検討し第3期基本計画の中に反映してきたい」との考えを示した。

 この後、井上政調会長ら一行は、文部科学省を訪れ、中山成彬文部科学相にも、同様の申し入れを行った。


■ 申し入れ全文 ■

平成17年6月9日 
 科学技術担当大臣
 棚橋 泰文 殿
第3期科学技術基本計画策定へ向けての提言
中間報告
公明党政務調査会長 井上義久 
第3期科学技術基本計画策定検討PT 
座長 斉藤鉄夫 

 今年度は、第2期科学技術基本計画の最終年度にあたる。第1期基本計画(平成8〜12年度)では、17兆円という研究開発投資目標を掲げ、その達成をもって終了した。第2期(平成13〜17年度)では、その投資の配分方法として、“重点4分野”、“競争的資金”の2つのキーワードに代表される考え方が示され、実行されてきた。

 第3期基本計画においては、これまでの基本計画の評価と反省の上に立って、科学技術投資の一層効果的な実施と社会・国民への成果の還元が問われており、限られた原資の中で、真に科学技術創造立国の実現に資するよう策定されなければならない。

 公明党では、科学技術の各分野における専門家等からのヒアリングや意見交換を重ね、第3期基本計画における重要施策について検討を行なってきた。この中で、我が国が、知的・文化的価値を創造する世界最高水準の科学の担い手となり、また、イノベーションによる持続的な競争力を確保してゆくためには、特に、研究者の自由な発想による基礎研究の充実および、優秀な人材の確保と養成が必要との認識を得るに至った。これらを柱に、第3期基本計画において、特に強調されるべき重要施策について、以下のように提言する。


  1. 内外の諸情勢、戦略的運用による政府研究開発投資の一層効果的な活用、国民への説明責任の強化や戦略的な国際化などに応えるため、政府においては科学技術政策推進の司令塔である総合科学技術会議の機能の充実・強化を図るとともに、立法府においては科学技術を専門に審議する委員会を新設する。総合科学技術会議においては、有識者議員の人員増強を図るとともに、そこで決定された政策方針については毎年の「政府基本方針(骨太方針)」に反映させる。

  2. 第3期基本計画における政府研究開発投資額の目標については、第2期における実績、諸外国の動向、第3期基本計画における科学技術政策の内容等を踏まえ、第2期基本計画の目標値を上回る適切な目標値を設定し明示する。

  3. 科学技術戦略の在り方については、重点4分野(ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料)を基本としつつ、政策目標を一層効果的・効率的に実現する観点から、分野内での重点化を図る。

  4. 国民生活の安全確保や国家の総合的な安全保障・危機管理など国家的・社会的課題に対応した「国家基幹技術」については、重点4分野との整合性を図りつつ、国が責任を持って投資する対象を選別・特化する。

  5. 我が国が、知的・文化的価値を創造する世界最高水準の科学の担い手となり、また、連続的なイノベーションの創出による持続的な競争力を保持していくため、研究者の自由な発想に基づく基礎研究を充実・強化し、知的ストックやその多様性を確保する。また、国立大学法人運営費交付金や私学助成などの基盤的経費をきちんと確保し、施設整備等研究基盤の強化を図る。 

  6. 科学技術人材の育成については、初等中等教育段階において理数教育の充実を図るとともに、優れた研究者・技術者、ものづくり人材の育成・確保、若手・女性・外国人等が能力を発揮できる魅力ある環境整備を強力に推進する。特に、大学や研究機関においては、任期付研究者を増やし、その実績評価や収入面などで魅力ある研究環境を整備するとともに、国際連携や産学連携による人材育成を推進し、世界に通用する人材を輩出する。