2006/08/02●公明新聞より
長崎県沿岸に5万本の漂流木
公明県・市議団/茂木漁港を緊急視察/長崎市


 5万本を超える漂流木が長崎県各地の沿岸海域に漂流、深刻な漁業被害などをもたらしている。

 事態を重く見た公明党長崎県議団(織田長団長)と同長崎市議団(田村康子団長)は7月29日、長崎市茂木町の茂木漁港を緊急視察。

 同漁業協同組合の関係者から、被害の実態や要望などを聞いた。一方、江田康幸環境副大臣(公明党)は同日夜、同市茂里町の県総合福祉センターで、立石暁副知事らから、漂流木の撤去・処分に対する国の支援などを求める要望を受けた。

 これに対して、江田副大臣は、流木被害では初となる災害廃棄物処理事業費補助金が適用される、と語った。

「船は損傷、網も破れた」
江田環境副大臣「撤去には国が補助を」

 「我々にも生活がある。危険を覚悟で流木の漂う海に行かざるを得ない」。山のようにうず高く積まれた流木の前で、茂木漁業協同組合の関係者は声を荒げて訴えた。流木に付着したフジツボは腐り始め、鼻をつく臭気を放っている。

▲茂木漁港に回収された流木を視察する党長崎県議団と長崎市議団

 茂木漁協は、今まさに車エビ漁の最盛期。夜間操業中の船に流木が衝突、プロペラやシャフトが損傷したり、底引き網が破られたりする被害が相次いでいる。同組合が7月20日から26日にかけて回収した流木は約400本。同組合の井石政志参事によれば、17隻の漁船が被害を受け、流木の回収中に肋骨にひびが入るけがをした組合員もいるという。

 駆け付けた党県・市議団に対して、同組合関係者は、「回収するにも、船の油代はかかるし、けがに対する保険もない」「こんな大きな流木被害は初めてだ。国に何とか動いてほしい」などと要望。織田団長らは「江田副大臣にしっかりと皆さんの窮状を伝えたい」と約していた。

 県内各地の沿岸で漂流木被害が深刻化したのは7月中旬。県危機管理防災課で確認された流木は、5万385本(28日現在)にも上る。

 漂流範囲は長崎、諫早、西海市のほか、対馬、五島、島原市など11市3町に及び、流木で被害に遭った漁船は82隻にも。判明しているだけでも被害報告額は2804万円に達しているという(26日現在)。

 撤去費用も自治体財政を重く圧迫しており、県が予算計上した約2900万円を、はるかに上回ることは確実。県環境部廃棄物・リサイクル対策課の徳永孝二課長は「どんどん流木が増えていて、費用がどれくらいかかるか分からない」と言葉少な。

 大量の流木の発生場所については、一部報道で植生から中国や台湾などではないかとの説もあるが、まだ詳しいことは分かっていない。

 一方、同日夜、茂里町で立石副知事らと会った江田副大臣は、環境省から流木被害の報告を受けているとし、流木回収費用にも言及。国が処理費用の半分を補助する「災害廃棄物処理事業補助金」を国内で初めて同被害に適用する旨、財務省が約束したと報告。今後の恒久的対策にも全力を注ぐと約束した。

 また、同席した織田団長らは、漁業関係者への漁業補償、生活支援について要望。江田副大臣は「関係省庁と連携して、何ができるか働きかけていきたい」と強調した。会談を終えた立石副知事は「心から感謝申し上げたい」と話していた。