議長、
発言の機会をいただき、ありがとうございます。
(はじめに)
我が国古都の名を冠する京都議定書が地球温暖化問題に対する国際的な取組の強化に向けての重要な第一歩として位置づけられていることは、我が国にとって誇らしいことであると同時に、締約国としての責任感を高める契機にもなっております。
まずは、科学的知見に基づき、すべての国が地球温暖化に対する危機感を共有することが重要です。我々議員は、各国の利害関係を越え、地球温暖化を人類の未来に係る問題として議論するべきではないでしょうか。IPUは、世界が取り組むべき温暖化対策の大きな目的とその道筋を話し合うため、先進国と途上国との間に更なる信頼醸成を構築するのにふさわしい場であると考えます。
(我が国における取組の概要)
議長、
日本は、京都議定書上の目標の確実な達成に向け、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく京都議定書達成目標計画に沿って、再生可能エネルギーの導入、省エネルギーの推進、森林管理等の吸収源増強といった対策を徹底して行っております。これらの国内対策は、官民を問わず各層が最大限努力することにより加速化が図られています。このような努力に加え、さらに昨年、同法を改正し、京都メカニズムを活用するための法整備を進めました。
(温暖化対策についての途上国支援)
先進国から途上国への技術移転のスキームとして、京都メカニズム、特に、クリーン開発メカニズム(CDM)があり、日本の世界最高水準の省エネルギー技術などを活用し、新興経済国や開発途上国の持続可能な発展に寄与できる有意義な仕組みです。
民間事業者によるCDM活用を推進すると同時に、プロジェクトがホスト国の環境保全等にも寄与しているかどうか監視しつつ育てていくのも、議員の役割であると主張します。
(すべての国が参加する2013年以降の次期枠組みづくり)
地球温暖化は、気象災害などによる社会的経済的な影響の大きさから「気候安全保障」の問題として捉えて、全世界が取り組むべき課題と考えます。
IPCCで公表されている最新の科学的知見を踏まえれば、気候系に悪影響を及ぼさないように温室効果ガスの濃度を安定化させるためには、中長期的に人類全体が、人為的排出量(72億炭素トン/年)と自然の吸収量(31億炭素トン/年)をバランスさせることが必要です。
このためには、京都議定書で排出抑制を義務づけられている先進国からの排出量が3割であることからも明らかなように、途上国も含めた世界の主要排出国の参加が不可欠となります。今、我々は危機意識を共有し、地球環境を子々孫々に守り伝えるため、まず世界の温室効果ガスの排出量を半減以下に抑えるという決意を固める必要に迫られております。
(おわりに)
議長、
最後に、京都議定書は、地球温暖化問題に対処する重要なステップですが、第一歩にすぎません。主要排出国による最大限の排出削減努力を促すと同時に、すべての国がその能力に応じて排出削減に取り組むことを可能とする、実効ある枠組みを構築する必要があります。
このバリ島で見られるような、美しい環境や豊かな自然を保護するため、気候の安定化を始めとする環境問題に向けて行動を活性化することを各国議会の皆様に強く呼びかけ、私の発言を終わらせていただきます。
御静聴、ありがとうございました。 |