2007/06/02●公明新聞より
国挙げて温暖化防止を
CO2削減へ国民運動/参院選へ環境政策を発表/太田代表が記者会見


▲クールビズ姿で環境政策を発表する太田代表と(右から)斉藤、江田、加藤氏=1日 国会内

 公明党の太田昭宏代表は1日、国会内で記者会見し、参院選に向けた重点政策の一つとなる「地球をクールに、人類の未来輝かせて」と題する地球温暖化対策を発表した。

 これには斉藤鉄夫政務調査会長、江田康幸党環境部会長、加藤しゅういち同部会長代理(参院議員、参院選予定候補=比例区)が同席した。


 がん対策などを盛り込んだ「命のマニフェスト(政策綱領)」、年金制度改善策に続く第3弾の重点政策となる。参院選向けマニフェストに盛り込む。深刻化する地球温暖化問題に対して、国を挙げて積極的に取り組む体制を整えることが狙い。

 地球温暖化による異常気象は、農作物被害や都市中心部での洪水災害の要因として国内経済や社会生活に大きな影響を与えている。

 発表された重点政策は、国内向けと国際向けの地球温暖化対策に大別される。

 国内対策は「温暖化問題は国民一人ひとりが主人公」と題して、(1)国民に分かりやすく実行しやすいエコ生活のための具体例を提示(2)バイオエタノールの普及をめざすバイオマス(生物資源)推進基本法(仮称)の制定(3)自然環境の重要性を学ぶための教育環境整備(4)来年度予算における京都議定書目標達成特別枠の創設――などを明示した。

 一方、国際対策には「日本を、環境平和戦略の発信基地に」を掲げ、(1)日中環境基金(仮称)の創設など日中間の地球温暖化防止の協働関係構築(2)2050年までに世界の温室効果ガス排出50%削減をめざす「50―50世界ビジョン」の提案(3)温暖化対策の専門家の育成――などを盛り込んだ。

 会見で太田代表は、「国民の間でも地球温暖化を実感するようになってきた」と指摘した上で、地球温暖化防止の施策の柱とすべき3点を提示。最初に、二酸化炭素(CO2)削減のための広範な国民運動の必要性に言及。「国民総掛かりでやっていかなければ、地球温暖化を防止することはできない」と述べ、家庭で簡単に実行できる省エネ対策などを進める考えを示した。

 次に、米国や中国を巻き込んだ環境平和戦略を策定することを説明。08年に日本で開催される主要国首脳会議(サミット)までに地球温暖化防止の協力体制を構築し、京都議定書の目標達成に向けた国際的枠組みづくりに取り組む。

 三つ目に、日本の技術・経験・人材を活用して世界の地球温暖化問題に貢献することの重要性を強調。「日本は公害などの苦しい経験をバネにして技術革新してきた。省エネ技術、環境対応技術については世界の最先端だ」と述べ、日本の技術力で世界の地球温暖化対策をリードする必要性を示した。




【政策全文】
地球をクールに、人類の未来輝かせて
――――地球温暖化対策を進めるために 
2007年6月1日 公明党 

地球温暖化問題は、人類の生存基盤にかかわる喫緊かつ最大の課題であります。政府は本日、「21世紀環境立国戦略」を閣議決定しました。それに先立ち安倍首相は、その温暖化対策戦略を「美しい星へのいざない」として発表しましたが、その中で2050年までに世界の温室効果ガス排出量を現状から半減するという長期的ビジョンを示しています。

公明党はかねてから、日本が環境立国をめざすべきことを一貫して提言し、取り組みを進めてきました。近年では循環型社会形成推進基本法の制定をはじめ、環境立国実現へ向けたさまざまな実績を積み重ねてまいりました。京都議定書の国内対策も推進し、アメリカや中国へも温暖化対策への協力を強く働きかけてきました。6月5日の「環境の日」35周年を前に、「地球温暖化防止」へ向け、以下の政策を掲げます。

1.温暖化問題は国民一人ひとりが主人公――国内対策

(1)
“もったいない”の精神でCO2削減する広範な国民運動を

“もったいない”の精神を生かし、温室効果ガス排出削減のため「夏はクールビズ、冬はウォームビズ」「冷暖房のつけっぱなしに注意」「クルマをやめて、できるだけ電車やバスに!」など、分かりやすく実行しやすいエコライフの生活行動モデルを提示し、一人ひとりの国民を主人公にした温暖化防止国民運動を全国展開します。

(2)
“もったいない”の精神でCO2削減する広範な国民運動を

  1. 環境に優しいバイオエタノールの普及を加速します。「バイオマス推進基本法」(仮称)を制定し、食糧問題へも配慮しながら、バイオマス活用の仕組みを早急に構築します。

  2. ハイブリッド車や電気自動車、天然ガス車などエコカーへの買い換えをしやすくするグリーン税制の拡充を図り、政府目標の200万台達成を前倒しします。

  3. 家庭や小さなオフィスにも太陽光発電、風力発電、燃料電池など自然エネルギーをより少ない負担で導入できるよう、補助金の拡充や税制優遇策などを講じます。

  4. 環境配慮型のエコハウスやエコビルの建設、エコ改修に減税措置などを講じられるようにします。

  5. オフィスビルなどの省エネ管理により事業費を生み出すESCO(エネルギー・サービス・カンパニー)事業を、国民に広く知らせ、大きく普及させます。

  6. 「水素社会化」「低炭素社会化」を進める技術革新へ向けた研究開発支援を大幅拡充します。

(3)
地域の特性を生かした環境教育の推進

地域の特性を生かしながら、すべての人が自然体験等を通じて環境の大切さを学ぶことができるESD(持続可能な開発のための教育)を推進し、各地でESDの拠点作りを進めます。

(4)
「京都議定書目標達成特別枠」の創設

温室効果ガス削減に関する京都議定書第一約束期間(2008〜12年)中の「6%削減」約束を確実に達成するため、本年度中に京都議定書目標達成計画を見直し、2008年度予算から相当規模の「京都議定書目標達成特別枠」(仮称)を設け、機動的に活用します。

2.日本を、環境平和戦略の発信基地に――国際対策 

(1)
日本イニシアチブの発信

2008年G8洞爺湖サミットに向け、優れた日本の環境技術や経験、人材等を生かした環境立国の「日本モデル」を構築し、アジアへ、そして世界へ発信します。

(2)
地球温暖化防止で日中、日米協力を推進

環境・エネルギーに関する「日中環境基金」(仮称)等を創設し、中国との間で温暖化防止の協働関係を構築します。温暖化防止を切り口に、日米協調関係の強化を図ります。

(3)
2050年までに温室効果ガス50%削減 
――(‐世界ビジョン)――

2050年までに世界の温室効果ガス排出を50%削減する「50‐50世界ビジョン」を日本発で世界に提案します。ポスト京都議定書に関しては、アメリカや中国、インドも含めたすべての主要排出国が参加する、実効性ある新たな枠組みを構築するため、国際的な議論をリードします。

(4)
排出量取引の拡充

京都メカニズムの一つで、国内外の事業者同士等が温室効果ガス排出量を売買できる排出量取引制度の拡充、強化を図ります。

(5)
地球温暖化防止の人材を世界へ

国際的に活動する地球温暖化対策に関する専門家や環境教育のリーダー等を育成し、アジア等に派遣、途上国等への環境技術移転や技術開発、人材育成までを見通した総合的な支援を行う制度づくりに取り組みます。