2009.07.16●公明新聞より
水俣病救済法が施行
未認定患者に幅広く適用/一時金など支給/原因企業の財源も確保/公明が推進



▲水俣病救済法案で合意した自民、公明、民主3党の政調会長、国対委員長らの会合=2日 国会内

 水俣病の未認定患者を救済する特別措置法が15日、施行された。

 国の基準では水俣病と認定されないが、手足や全身の感覚障害などの症状を持つ幅広い未認定患者に対し、一時金や療養手当を支給するもので、環境省によると2万人以上が対象になる見通し。

 同省は今後、救済対象者を判別する基準づくりや一時金の支給額設定などを急ぐ。


 今回の特措法では、公害健康被害補償法(公健法)に基づく水俣病の認定基準に満たない未認定患者を幅広く救済対象にするのが特徴。手足の先のしびれのほか、全身や口、舌の感覚障害、視野狭窄(狭くすぼまること)の症状を持つ人を対象範囲とした。対象者には一時金と療養手当を支給するほか、「水俣病被害者手帳」を交付して医療費の自己負担分を公費負担する。

 このほか、特措法には、原因企業のチッソに救済費用を確保させるため、同社の事業を引き継ぐ子会社と、その株式を保有・売却して補償を行う親会社に分社化する規定を明記。ただし、同社の加害責任があいまいになることがないよう、一時金支払いに同意するまで分社化を認めないことや、救済が終了するまで子会社株の売却は凍結することなどを盛り込んだ。

 水俣病の未認定患者救済をめぐっては、1995年に当時の自社さ政権が政治決着をめざした経緯があり、約1万2000人が一時金を含む救済策で和解した。しかし、受け入れを拒否した一部の患者が訴訟を継続。その後、最高裁が2004年に関西訴訟判決で被害の拡大を防止しなかった国と熊本県の責任を指摘したため、新たに水俣病認定を求める申請者らが続出した。

 公明党は、新たな救済策の実現にいち早く動き出した。水俣病の公式確認から50周年を迎えた06年、悲惨な公害を繰り返さないことを誓約する超党派の国会決議を主導したほか、新救済案の提言を小池百合子環境相(当時)に提出、医療費を公費負担する新保健手帳の交付を勝ち取った。

 さらに、当初は「95年で決着済み」としていた自民党をリードし、与党水俣病問題対策プロジェクトチーム(PT)を発足。同PTで粘り強く議論を重ね、最終的に今年3月に新救済策を盛り込んだ法案を仕上げた。その後、民主党との修正協議を経て議員立法として今国会に提出、成立にこぎ着けた。

理不尽な公害に政治の光
党水俣病問題小委事務局長 江田康幸衆院議員

 水俣病問題は、日本が戦後の復興から経済繁栄をめざす過程で生じた「公害の原点」ともいうべき重大事件です。被害者と、その家族の皆さまは言語に絶する苦難の日々を送ってこられました。

 水俣病の公式確認から50年以上もの長い年月がたち、被害者の皆さまの高齢化が進む中、公明党は一日も早く、すべての被害者の皆さまが救済されるために全力で取り組んできました。その結果として、救済を必要とするすべての皆さまを初めて水俣病被害者として位置付け、その救済を図る法律が制定できたことを感慨深く思っています。

 生命ほど尊いものはありません。公明党は、理不尽な公害被害に苦しむ皆さまに政治の光を当て続けるとともに、「水俣病」の惨禍を二度と繰り返さぬ闘いに全力を挙げます。

【水俣病とは】
 1950〜60年にかけて、工場排水に含まれるメチル水銀化合物に汚染された魚介類を摂取したことで引き起こされた中毒性の神経疾患。熊本県水俣湾と新潟県阿賀野川の周辺で発生した。
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