掲載日:2021年05月19日

建設アスベスト訴訟/首相が面会し謝罪/国と原告団 和解合意
与党プロジェクトチームの救済策反映

 菅義偉首相は18日、建設アスベスト(石綿)訴訟の原告団、弁護団と首相官邸で面会した。首相が原告団と会うのは初めて。

 面会には、最高裁が国の責任を認める判決を出したことを受け、救済策を取りまとめた与党建設アスベスト対策プロジェクトチーム(PT)の議員も同席。公明党から同PT座長代理の江田康幸衆院議員が参加した。原告団らは同日夕、厚生労働省で田村憲久厚労相と会い、与党PTの救済策に基づき、基本合意書を締結した。

 原告団との面会で菅首相は「首相として責任を痛感し、真摯に反省し、政府を代表して心よりおわびを申し上げる」と謝罪。「健康被害を受けた方々の長きにわたる負担や苦しみ、最愛のご家族を失った悲しみは、察するに余りあり、言葉もない」と表明し、和解に関して「皆さんの考えを十分に尊重したい」と強調した。
 大工だった夫と長男を中皮腫で亡くした東京訴訟の原告、大坂春子さんは「ずっと不安を胸に闘ってきた。裁判せずに全ての被害者が救済されるよう心から願っている」と訴えた。

 基本合意書には、国は最高裁判決において「違法と判断されたことを厳粛に受け止め、被害者及びその遺族の方々に深くお詫びする」と明記した。

 救済策については、国が健康被害の症状に応じて原告1人当たり最大1300万円を支払う和解金が柱。長引く訴訟の負担を考慮した解決金を支払うほか、未提訴の人や今後発症する被害者らに給付金を支給するため、基金を創設することも盛り込まれた。

 公明党は裁判によらない救済を望んでいた原告団の声を受け、同PTで基金の創設を強く求めてきた。基金創設に向け、与党は今国会にも関連法案を議員立法で提出し、早期成立をめざす。

 基本合意書の調印式で江田氏は「公明党は健康被害が表面化した2005年以来、健康被害救済を目的とした新法制定など全面解決に向けて活動してきた」と強調。「基本合意書が建設アスベスト訴訟の解決に向けて動き出す、その道しるべになることを期待したい」と述べた。
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