後期高齢者医療制度/4月からスタート

 後期高齢者医療制度が4月から新たにスタートします。新制度の概要を「新しく変わること」と現行の老人保健制度と「変わらないこと」に分けて解説するとともに、特に関心が高い保険料の負担軽減措置についてまとめました。

制度の概要
加入者全員が「被保険者」

 新たな後期高齢者医療制度の対象者は、現行の老人保健制度と同じく「75歳以上の後期高齢者」と「65歳〜74歳で一定の障害がある人」です。ただし、国民健康保険(国保)の加入者であった人も、被用者保険(健康保険組合、政府管掌健康保険、共済組合など)の被保険者・被扶養者であった人も、全員が後期高齢者医療制度の「被保険者」となります。

 現行制度では、それぞれが加入している医療保険の保険証と老人医療受給者証の2枚をもって受診していますが、4月からは後期高齢者医療制度の保険証1枚で受診します。

 大きく変わるのは、加入者全員が負担能力に応じて公平に保険料を支払う仕組みとなることです。現行制度では高齢者の間で、加入している医療保険によって保険料を負担する人としない人があり、国保においては市町村によって保険料額に差が生じています。

 これが後期高齢者医療制度では、都道府県単位の広域連合が運営主体となり、原則として、都道府県内で同じ所得であれば、同じ保険料になります。

 一方、患者負担割合と自己負担限度額は、現行の老人保健制度と変わりません。患者負担は1割(現役並み所得者は3割=課税所得145万円以上、かつ、年収が高齢者複数世帯で520万円以上、単身世帯で383万円以上)で、1カ月当たりの自己負担限度額は<右表>の通りです。
 ただ、4月からは「高額医療・高額介護合算制度」が同時にスタートし、1年間を通して後期高齢者医療制度での自己負担と介護保険の自己負担を合算して、その額が一定額以上であれば、超過分が払い戻される新たな負担軽減の仕組みが導入されます。

保険料の軽減
低所得者は均等割を減額
被用者保険の被扶養者は2008年度に特別措置


  保険料の額は、被保険者が「等しく負担する部分(均等割額)」と「所得に応じて負担する部分(所得割額)」の合計額です。

 所得割額は、公的年金等控除や基礎控除などを適用した後の「所得」に所得割率を掛けて算出します。
 既に都道府県ごとに、定額の均等割額と定率の所得割率が出そろい、均等割額は年間3万5300円〜5万935円まで、所得割率は6.53%〜9.63%まで幅があります。都道府県によって異なる主な要因は、1人当たりの医療費の高さや所得の高さなどです。均等割額と所得割率は2年ごとに改定されます。

 保険料の軽減措置は、均等割額で低所得者に対する7割、5割、2割の段階的な減額(単身世帯は7割、2割)があります。これは現在、どの医療保険に加入しているかにかかわらず、全国一律の措置です。

 <右図>は、収入が年金のみのケースですが、夫婦2人世帯では、夫の年金が168万円以下であれば均等割額が7割減額され、192.5万円以下であれば5割減額され、238万円以下であれば2割減額されます。単身世帯では、年金が168万円以下で7割減額、203万円以下で2割減額となります。所得割額はともに153万円超の場合に発生します。

 新しく保険料を負担する被用者保険の被扶養者(75歳以上で約200万人)は、移行措置として、加入から2年間は保険料が均等割額の半額に抑えられます(年金が168万円以下の低所得者は7割減額)。加入から2年間は所得割額の負担もありません。

 加えて被扶養者は、公明党の主張を受けた与党合意に基づく特例措置が2008年度に実施され、前半の半年間は保険料の負担自体が凍結・免除され、後半の半年間は均等割額の9割が軽減されます。2009年4月以降の保険料のあり方は、与党で引き続き検討することになっています。

この人はこうなる

 都道府県によって均等割額と所得割率が異なるため、同じ所得でも保険料額は都道府県によって異なります。

 全国的に見ておよそ平均的な愛知県(均等割額が年間4万175円、所得割率が7.43%)を例に個々のケースを見てみると、収入が年金のみの単身世帯の場合、国民年金受給者はもちろん、年金額が所得割額の発生しない153万円以下であれば、保険料は均等割額の7割が減額されるため、年間1万2000円(月1000円)です。

 夫婦ともに国民年金受給者で他に収入がない場合は、夫婦合わせて月2000円です。また、厚生年金が208万円の一人暮らしの人は、均等割全額に加えて所得割額が発生し、合計で年間8万1000円(月6750円)となります。

 夫の厚生年金が208万円、妻が基礎年金の満額を受給している場合、夫婦ともに均等割額が2割減額。夫はそれに所得割額が上乗せされるため、夫の保険料が年間7万3000円(月6083円)で、妻が年間3万2100円(月2675円)です。

 なお、東京都は都議会公明党の要請を受け、都独自に2010年3月まで、概ね年金額が208万円以下の人を対象に所得割額の軽減措置を設けています。

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