75歳からの医療制度どこが変わるの?

 75歳以上の高齢者(65〜74歳の寝たきりの人なども含む)のための新たな「後期高齢者医療制度」(通称・長寿医療制度)が4月からスタートしました。これまでと比べてどこが変わるのか、新しい制度のメリット(利点)とともに、低所得者への負担軽減策を実現した公明党の取り組みなどについて、紹介します。

保険料 安くなる人が多い
治療、窓口負担は変わりません

 これまでの老人保健制度では、診療を受ける際、保険証と老人医療受給者証の2枚が必要でしたが、新制度では保険証1枚でOKです。1人に1枚ずつ新しい保険証が3月中に届いていますので、大切にしてください。新しい保険証を受け取っていなかったり、誤って捨ててしまった場合は、旧保険証や運転免許証の提示でも対応してくれます。

 保険料は、原則として年額18万円以上の年金受給者は年金からの天引きとなります。これは、介護保険料の支払いと同様に、わざわざ役所や金融機関などに出向く必要をなくすためです。

 具体的な保険料は、加入者全員が等しく払う「均等割」と、所得に応じて払う「所得割」の二つを合計して決まります。保険料の軽減措置は、均等割額で低所得者に対する7割、5割、2割の段階的な減額があります。

 保険料は、安くなる人が多くなります。例えば、夫婦ともに国民年金受給者で他に収入がない場合、年金額が所得割の発生しない153万円未満であれば、保険料は均等割の7割が減額されるので1人1000円となり、夫婦合わせて月額2000円です。所得の少ない人には非常に低く抑えてあるのが特徴です。

 一方、患者は、これまで同様の治療が受けられ、病院での窓口負担も、原則1割負担で変わりません。現役並み所得の人は3割負担ですが、今まで同様に「高額療養費制度」(入院などで医療費が高額になった場合、自己負担限度額を超えた分を申請すると払い戻しされる)が適用されます。

担当医が持てます
専門医や手術時の病院も紹介

 新制度では、患者が希望すれば担当医(かかりつけ医)を持つことができます。ただし、担当医は患者本人と医師とが合意して初めて成立するもので、担当医を決めたくなければ、それも自由です。また、特定の医師にしか診てもらえなくなるわけではありません。おなかの調子も悪いが腰痛も気になるし、足も痛いという場合は、当然、他の病院で診てもらっても構いません。

 担当医は、患者の身体の状態を継続して診てくれるので、効果的な治療ができ、薬も質量ともに適切なものが出せ、結果として医療費が抑制されます。担当医を通し、いろいろな専門医や、手術が必要な時は大きい病院を紹介してもらうこともできます。

 退院して自宅に帰ってくると、患者は担当医と看護や介護に当たる地域の医療機関と連携して診てもらえるようになります。例えば、軽い脳梗塞を起こし、救急病院で治療を受けた後、在宅や地域の施設でリハビリなどの治療を受けやすい体制をつくるということができます。

 また、担当医制度ができても「診療制限」や「医療差別」は起こりません。診療回数を無理やり減らす制度では決してありません。ただし、患者が多くの病院を渡り歩くのは決していいことではなく、的確で少ない診療回数で、健康管理がきちんとできれば、患者の負担も減ります。
 なお、特定疾患(糖尿病や心疾患など)で継続して受診が必要な方は、毎月600円(自己負担1割の場合)で、血液検査やレントゲンなどが受けられます。

安定的な運営が可能
保険料を新たに負担する人には半年免除など軽減策

 これまでの老人保健制度は各市区町村ごとに運営されていたため、特に人口3万人以下の小さな市町村では、高齢者が多く、一般財源を投入しても苦しい財政運営でした。そこで、こうした格差を是正するために、新制度は、都道府県単位の広域で支え、安定的な運営が可能になります。若い人にも高齢者にも安心してもらえる持続可能な制度に改革されました。

 また、老人医療費は2006年に約10・8兆円でしたが、25年には約25兆円まで増えると推測されており、これまでの老健制度のままでは、現役世代の負担が非常に重くなります。そこで、財源を公費5割、現役世代4割、75歳以上1割負担として、負担率を公平・透明化しました。

 一方、これまでサラリーマンの扶養家族として、保険料を免除されていた75歳以上の方は、新たな保険料を負担していただくことになります。現在、75歳以上の高齢者は約1300万人。このうち約1100万人は、これまで個人単位で保険料を納めてもらっており、残り約200万人は子どもなどの被用者保険の扶養家族になっていました。こうした方々にも新たに負担していただくことで、新制度では、所得に応じた公平な負担となります。

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