
![]() ▲舛添厚労相(中央左)に、インターフェロン治療の一層の推進などを要請した党肝炎対策プロジェクトチーム=08年10月30日 |
今年(2009年)4月から、肝炎に対するインターフェロン治療の医療費助成制度が充実する。これは昨年(2008年)10月、公明党肝炎対策プロジェクトチーム(赤松正雄座長=衆院議員)が、インターフェロン治療の一層の推進と肝炎総合対策の強化を舛添要一厚生労働相に要請したことから実現した。 |
| ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法 医師が必要と認めるケース/72週までの助成が可能に 2009年4月から、肝炎の根治療法であるインターフェロン治療の医療費助成制度について、医師がペグインターフェロンとリバビリンの併用療法の延長投与(72週)が必要と認めるケースについては、助成期間を72週まで認める。現行の助成期間は原則1年間。 難治性C型肝炎では、48週間にわたる同併用療法が標準的治療とされ、根治率はここ数年で大幅に改善されたが、それでも現状は約50%だ。根治率を高める工夫の一つとして、ウイルスの陰性化が比較的遅い事例について、72週までの延長投与が望ましいとの指摘があり、肝炎治療戦略会議での検討(08年11月に報告書)を経て、医師が必要と認めるケースについて助成期間を延長することにした。 インターフェロンの投与でウイルスが検出されなくなるのを陰性化と言うが、投与をやめるとすぐにウイルスが出てくる。投与をやめても、ウイルスが検出されない状態を根治という。 公明党の推進で、08年4月から「肝炎治療7カ年計画」がスタートし、その柱として、インターフェロン治療に対する医療費助成制度が創設された。背景には、治療費が高額(自己負担が月7万〜8万円)で、多くの患者が治療に踏み切れなかったり、途中で治療を断念してしまう実態があった。助成制度は所得(世帯全員の住民税課税額の合計)に応じて、1月当たりの自己負担限度額を1万円、3万円、5万円の3段階に設定し、それを超える分を公費で負担するもの。 加えて、4月からは所得の認定について、世帯単位を原則としつつも、税制や医療保険で扶養関係のない場合は、課税額の合算対象から外せるようにする。これにより、高齢の患者が息子夫婦と同居しているが、生計が別な場合などで、患者の自己負担限度額が低くなるケースが出てくる。 現状と課題/診療体制の整備を急げ 「研究7カ年戦略」の成果に期待 厚生労働省は医療費の助成に関して、年間10万人の利用を見込んでいたが、受給者証の交付件数は、助成が始まった08年4月から半年で2万6529件にとどまっている。これについては、助成制度の周知不足や副作用に対する懸念、仕事との関係で治療時間を確保できないなど、さまざまな要因が指摘されている。 自治体の取り組み状況に目を向けると、各都道府県の治療の中核施設「肝疾患診療連携拠点病院」は、33府県で43病院が指定済み。他の道県はほぼ09年度中までの指定を予定している。東京都はさらに充実した独自の診療体制を09年度にスタートさせる方針。 肝炎ウイルス検査の実施状況は、すべての都道府県・保健所設置市・特別区において、保健所または委託医療機関で無料検査が実施されている。 国は肝炎の医療水準の向上と地域間格差を是正するため、国立国際医療センター「肝炎情報センター」(千葉県市川市)を08年11月に設置し、同12月にホームページを開設。同ホームページでは、拠点病院や専門医療機関が分かるほか、患者・一般市民、専門医、医療従事者別に情報を提供している。 また、国は「肝炎研究7カ年戦略」(08〜14年度)を策定し、(1)難治性C型肝炎の根治率を約50%から70%に引き上げ(2)B型肝炎の臨床的治癒率を約30%から40%に引き上げ――などを目標に研究を推進中。現在、ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法に、さらにウイルスの増殖を防ぐプロテアーゼ阻害剤を組み合わせた新たな治療法が治験段階にあり、副作用が少なく、より短い期間で根治率を高められるのではないかと期待されている。 厚労省は「肝炎は気付かないうちに肝硬変や肝がんへと進行してしまう。しかし、早期発見・早期治療ができれば、十分に対処できる。自分とは関係ないと思わず、ぜひ検査を受けてほしい」と呼び掛けている。 赤松正雄/党プロジェクトチーム座長 あらゆる手立て尽くす 肝炎対策はこの一年で大きく前進させることができ、2009年度予算案でも見るべきものがあったと自負しています。 ただ、昨年4月より始まったインターフェロン治療費の助成については、完治に至ったとのうれしい声も寄せられていますが、治療を受ける人がまだまだ少ないことや、B型肝炎の患者にとっては支援策として不十分であることなど多くの課題もあります。大変に有効な治療法であるにもかかわらず、治療を受ける人が大きく伸びないのは、この病気に対する認識が低いことや副作用の懸念など、さまざまな原因が考えられます。あらゆる手立てを尽くしてまいりたい。 また、公明党など与党は肝炎対策基本法案を提出しており、野党との間で合意を形成していく努力が必要であると考えています。 |
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