読者の質問にお答えします。
レアメタル回収/小型家電の新制度創設
参加や方法は市町村が判断 
“都市鉱山”発掘を促す/党環境部会長代理/江田康幸衆院議員

『問い』
 3日に成立した「使用済み小型電子機器等再資源化促進法」で、不要となった携帯電話、デジタルカメラなどからのレアメタル(希少金属)回収がどう進むのでしょうか?
(広島県 N・O)

▲レアメタルの回収等について取り上げる江田氏=衆院環境委 27日
 レアメタルは携帯電話やデジタルカメラなどの製造に不可欠な素材ですが、その大半を輸入に依存しています。一方、使用済み小型家電はエアコンやテレビを除き、リサイクルの特別な法制度がなく、レアメタルなどの有用金属を含んだまま大半が最終処分場に埋め立てられ、環境保全や健康上の問題を引き起こす事例もあると言われています。

 この使用済み小型家電を“都市鉱山”と位置付け、市町村が回収し、国の認定を受けたリサイクル業者が引き取り、レアメタルなどを取り出して再生利用するというリサイクルの仕組みを普及させるのが法律の狙いです。

 法律では、国の責務として小型家電のリサイクル促進に必要な予算確保や、技術開発の推進を規定。回収業務を担う地方自治体には、国が認定するリサイクル業者に引き渡す努力義務を課しています。取り組みが可能な地方自治体が参加することとし、既に先駆的に取り組んでいる地方自治体も数多いことなども踏まえ、各自治体の特性に合わせてボックス回収、ステーション回収などの回収方法や、回収する小型家電の対象品目を選択できることにしています。

 このほか、消費者や一般企業には機器を分別して排出するよう要請し、電子機器メーカーには回収の経費を抑えるため、製品設計の工夫を求めています。法律の施行は2013年4月。対象品目は96品目が候補に挙がっていますが、今年度中に有識者検討会で決めた後、政令で指定する流れになっています。

 使用済み小型家電のリサイクル制度が定着するには、多くの課題があるのも事実です。環境上の大きな問題が直ちに発生するものではないため、消費者や一般企業に対してリサイクルの十分な周知が不可欠なだけでなく、回収業務の中心的役割を担う市町村がどれだけ参加できるかが重要なポイントです。

 このため、市町村の費用負担軽減や地域に根ざした回収業者の積極的な活用などで国のフォローを強く求めていきます。

 レアメタルの回収・リサイクルについては、公明党が積極的に推進してきました。

08年には党青年委員会(谷合正明委員長=参院議員)が使用済み携帯電話の回収・リサイクル体制の強化を求める署名運動を展開。約47万人分の署名を集め、経済産業省と環境省に対して署名簿を添えて体制強化を要請した結果、08年度補正予算でリサイクル拡大のモデル事業が盛り込まれるなど回収・リサイクル促進への道筋を付けることができました。

 今後も公明党は、レアメタルの回収・リサイクルを強力に推進し、循環型社会の構築をめざしていきます。
国の「難病対策」が前進へ
医療費助成の対象拡大めざす/厚労省委員会 
支援策の抜本的な見直しを提言員

 原因が分からず効果的な治療法がない難病。その対策の大幅な見直しに向け、厚生労働省の難病対策委員会が今月16日に中間報告をまとめ、新たな「難病対策の在り方」を発表した。
 わが国の取り組みを解説する。

▲難病認定を求め、患者会とともに申し入れる党難病対策PTのメンバー(右側に江田座長)ら=2012年3月2日 厚労省
 国が本格的に難病対策に踏み出したのは、今から41年前、1971年のことである。当時、原因が分からず、神経障害を引き起こすスモンの入院患者に月額1万円の治療研究費を支給したのが始まりだ。

 翌年、難病対策の指針となる「難病対策要綱」を制定。当初は8疾患を研究対象とし、そのうち、スモン、ベーチェット病などの4疾患を医療費助成の対象とした。

 現在、この医療費助成が行われている特定疾患は56疾患に拡大され、助成を受ける患者は約70万人に上っている。患者の自己負担は、1カ月最大で入院2万3100円、外来1万1550円で済む。

 だが、毎年、難病研究が進められている「臨床調査研究分野」は130疾患を対象に原因究明などを行っており、国内に750万人に上る患者がいる。また、2009年度からは、これまで研究されていない疾患の実態把握や診断基準の確立などをめざす「研究奨励分野」として234疾患に対して研究費を助成している。

 難病は世界に5000〜7000種類あるといわれ、こうした研究が行われているのは一部の疾患にすぎない。しかも、医療費助成を受けている患者は、なお一握りの疾患に絞られている。

 希少疾病である難病は、その多くが研究すらされていないのが現状だ。

 こうしたことから、厚労省の難病対策委員会は患者への大幅な支援策の見直しを進めるため、16日に「今後の難病対策の在り方」について中間報告をまとめた。

 この中間報告では、難病対策の理念について、「いわゆる難病は、まれではあるが国民の中に一定の割合で発症する可能性のあるもの」とし、難病の治療研究をさらに進め、疾患の克服とともに、「難病にかかっても地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現をめざす」として、医療費助成の対象疾患の拡大などを提言した。

 医療費の助成対象となる疾患については、従来と同様に、(1)患者が少ない(5万人未満)(2)原因不明(3)治療法が未確立(4)療養が長期――の4要素を満たす疾患と規定された。

 これまで、財源不足などから、4要素を満たしながらも医療費助成の対象に追加されてこなかった難病や、研究事業の内容に差が生じるなど、不公平感が指摘されてきた。

 それだけに、より公平に対象を拡大するには財源確保が不可欠であり、助成制度の安定性を確保するためにも法制化が必要である。

 このほか、中間報告では、現在の難病医療拠点病院をさらに発展させ、難病医療の専門性を高めた「新・難病医療拠点病院」(仮称)を都道府県ごとに整備するとともに、極めてまれな小児の難病に対応する小児専門病院の設置を提言している。

 また、就労支援についても、難病相談・支援センターとハローワークとの連携強化などを求めている。

 厚労省は、こうした対象疾患を年内にも見直し、来年度予算の要求に向けて財務省と調整を進めていく方針だ。

『公明が一貫して推進役果たす』

 難病対策が大きく進んだのは今から4年前のことである。公明党の粘り強い主張によって、09年度の難病研究予算が前年度の4倍に当たる100億円に一気に引き上げられた。

 大幅な研究予算の増額で、治療方法や原因究明を行う「臨床調査研究分野」の対象疾患を123から130に拡大。新たに「研究奨励分野」を創設させ、これまで研究されていない疾患の実態把握や診断基準作成の道を開いた。

 一方、医療費が助成される特定疾患を一挙に11加え、56疾患まで増やした。

 しかし、こうした研究や医療費助成を受けられる疾患の拡大は遅々として進まず、公明党がさらなる対象の拡大を求めてきた。

 背景に国の財政事情があるのは分かるが、財政難を理由に難病対策の後退は許されない。安定した予算を確保するためにも、公明党が提唱する法制化が不可欠である。

 これまでの難病対策を抜本的に見直し、難病で苦しむ患者を社会全体で支えるための法制化に早急に取り組むべきだ。

『法制化進め、総合的な対策を/公明党難病対策プロジェクトチーム座長/江田康幸衆院議員』

 原因不明で治療方法が確立されていない難病の患者は、長期間にわたって身体的・精神的な悩みを抱え、高額な医療費負担を強いられています。

 そこで、厚生労働省の専門家委員会が16日に中間報告をまとめ、医療費助成の対象疾患を拡大することを含め、これまでの難病対策を抜本的に見直し、難病で苦しむ患者を社会全体で支えようとする新たな提案は評価できます。しかし、この方針を単
なる掛け声だけで終わらせるようなことがあってはなりません。

 政府・与党は、例えば研究事業や医療費助成について、難病の疾患間の公平性をめざし、責任を持って対策の前進を図るべきです。

 これまでわが国の難病対策は財政難を理由に、大きく進むことはありませんでした。それでも公明党が難病研究予算の増額を主張し続けた結果、2009年度予算では前年度の4倍に当たる100億円に一気に引き上げられ、対象疾患が大幅に拡大されたことは記憶に新しい成果です。

 今回の中間報告を機に、法制化を視野に入れ、対策を強化すべきです。公明党は難病に苦しむ患者が希望を持って生活が送れるよう、医療費助成や研究事業の対象拡大、医療体制の整備、相談支援の充実など、総合的な難病対策の推進へ「難病対策推進基本法」(仮称)の制定に全力を挙げてまいります。