難病患者を安定支援/厚労省が最終案 
公明の提言反映/医療費自己負担に配慮
所得・状況などに応じて助成
掲載日: 2013/12/23

 『新制度のポイント』
 約150万人に対象拡大          ◆限度額は最大で年24万円 
 人工呼吸器装着など超重症は月1000円  医療費高い軽症も支援  
 ◆
小児は大人の半額まで
▲田村厚労相(中央)に難病対策で申し入れる江田本部長(左隣)ら=12月9日 厚労省  難病患者に対する新たな支援制度の最終案が13日、厚生労働省の難病対策委員会で取りまとめられた。

 今回の改革は、これまで歳出が義務付けられていない「裁量的経費」だった難病の医療費助成制度を、法律に基づく「義務的経費」に転換することで、安定的な制度の構築をめざすもの。
 助成対象の疾患は、現行の56から約300に拡大され、受給者数も約78万人から約150万人へと倍増する。医療費の自己負担の上限は、最大でも月3万円、年24万円までとなる。厚労省は2015年1月からの実施に向け、14年通常国会に法案を提出する方針だ。

 新制度の助成対象者は、対象疾患のうち、原則として一定の症状以上の重症患者。外来と入院を合わせた医療費の自己負担割合は、現行の3割から2割に引き下げられ、その上で、所得や状況に応じた限度額が設定される。

 夫婦2人世帯の場合の目安として、月額の負担上限は▽生活保護世帯はゼロ▽市町村民税非課税世帯で本人の年収80万円までなら2500円▽同課税世帯で年収810万円以上なら3万円――などとなる。

 自己負担1万円を超える月が年間6回以上ある患者に関しては、さらに限度額を引き下げ、最大でも月2万円、年24万円までの負担に抑える。筋萎縮性側索硬化症(ALS)で人工呼吸器を装着しているなど、極めて重症の患者は、所得にかかわらず一律で月1000円と定めた。

 軽症患者は助成の対象外となるが、自己負担1万円を超える月が年間3回以上あり、高額な医療によって軽症を保っている場合は、助成の対象に加える。 新制度は、患者支援の幅を広げるものだが、一方で、現在は全額助成されている重症患者などにも、新たに一定の負担を求めることになる。このため、現行の助成対象者には、3年間の経過措置を設ける。現行の軽症患者は、経過措置により医療費が助成される。
▲日本ALS協会の皆さんと=12月20日 国会江田事務所  このほか新制度では、(1)医療提供体制の整備(2)患者データベースの構築(3)就労支援の充実――などにも取り組んでいく。

 対象疾患や重症度の基準などは今後、新設される第三者委員会で決定される。
 厚労省は今年10月、月額の限度額を3000〜4万4400円とする素案を提示したが、患者らが「負担が重すぎる」と訴えていた。このため公明党は、多くの患者団体と意見交換を重ね、今月9日には、大幅な負担軽減などを求める提言を厚労相に提出していた。

 一方、子どもの難病である小児慢性特定疾患については、自己負担を大人の半額程度とする最終案が、13日の厚労省専門委員会で取りまとめられた。対象疾患は、現行の514(患者数約11万人)から約600(同15万人)に拡大する。成人期移行後の自立支援強化に向けた新規事業も、14年度に創設される。

『総合的な対策強化めざす/党難病対策推進本部長/江田康幸衆院議員』
 難病対策について公明党は、患者目線で支援策の充実を訴えてきた。最終案は、患者の生活実態に即して幅広く負担を軽減するなど、公明党の提言を大きく反映しており、患者団体の理解も得られるものとなった。

 その上で、今後は、総合的な難病対策の推進に向け、来年制定される新法の基本方針に、さらなる医療提供体制の整備や就労・生活支援の充実、研究・治療法開発の強化などを盛り込ませ、十分に予算を確保して、着実に対策が実施されるよう取り組んでいく。
新たな難病医療費助成制度についての資料