アレルギー疾患対策基本法
''国民病''に総合的施策
掲載日: 2014/06/23
    基本法のポイント
    国、自治体の責務を明確化
    厚労相に基本指針の策定を義務付け
    全国どこでも適切な医療を受けられる専門医の育成や医療機関の整備
    学校の教職員への研修機会の確保
    患者や家族に対する相談体制の整備
    大気汚染の防止、食品の表示充実など生活環境の改善
 ぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患対策を総合的に推進する「アレルギー疾患対策基本法」が20日、成立しました。基本法のポイントと、成立を推進した公明党の取り組みを紹介します。

 アレルギー疾患は、国民の約半数がかかっているといわれる“国民病”です【表参照】。その一方で、医療施設や地域によって診断や治療方法に差があるなど、アレルギー疾患に対する研究や知識の普及が課題となっていました。
疾患名
有病率
調査年
気管支ぜんそく
5.4%(20〜44歳) 
最近1年間で症状ありは9.4%
2006年
アレルギー性鼻炎
47.20%
2006年
アトピー性皮膚炎
   1歳半・・・・・9.8%
   3歳児・・・・・13.2%
   大学生・・・・・8.2%
   20代・・・・・9.4%
2000〜2008年
食物アレルギー
   乳幼児・・・・・5〜10%
   学童期・・・・・1〜2%
2010年
厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会報告書(2011年から)
 そうした中、2012年には東京都調布市で、食物アレルギーのある小学生が給食後に死亡する事故が発生、医療機関だけでなく、学校など教育機関での知識や適切な対応方法の普及が急がれていました。

 アレルギー疾患対策基本法は、アレルギー疾患対策の一層の充実を図るため、国や地方自治体、医療・学校関係者などの責務を明確にし、総合的な施策による生活環境の改善や、全国どこでも適切な医療を受けられる体制づくりなどを基本理念として掲げています。

 その上で、厚労相に対しては、対策の推進に関する基本指針の策定を義務付け、策定に当たっては、患者や学識経験者など関係者で構成される「アレルギー疾患対策推進協議会」の意見を厚労相が聞くものとしています。指針は5年ごとに見直し、都道
府県については、対策の推進に関する計画を「策定できる」としています。

 アレルギー疾患の重症化の予防、症状の軽減のために国が進めるべき基本的施策として具体的には、(1)専門的知識や技能を持つ医師、薬剤師、看護師、保健師など医療・福祉従事者の育成(2)全国どこでも適切な医療を受けられる医療機関の整備(3)学校の教職員などに対する研修機会の確保(4)患者や家族に対する相談体制の整備(5)予防や治療などの研究(6)治療に必要な医療品、医療機器承認への迅速な対応(7)大気汚染の防止、森林の整備、アレルギー物質を含む食品の表示充実など生活環境の改善―などを盛り込んでいます。

公明の取り組み/研究機関の整備、ガイドライン策定など一貫して推進

 公明党はこれまで、アレルギー疾患対策基本法の制定に中心的な役割を果たしてきました。2010年5月に参院に基本法案を提出。11年8月には自民と共同で衆院に法案を提出しました。いずれも国政選挙の影響で廃案となりましたが、昨年法案を修正し、再度、自公で衆院に提出しました。

 基本法の制定だけでなく、わが国のアレルギー疾患対策を一貫してリードしてきたのは公明党です(アレルギー疾患対策PT=江田康幸座長)。00年に全国で署名運動を展開。同年4月、1464万人を超える署名簿を添え、「アレルギーの病態解明と治療法の確立」を政府に求めました。

 これが原動力となり、同年10月には治療法確立の国の拠点となる「臨床研究センター」が神奈川県の国立病院機構相模原病院に、04年4月には基礎研究の拠点「免疫・アレルギー科学総合研究センター」が横浜市に、相次いで設置されました。

 また、翌年には加工食品のアレルギー表示を義務化。この間、アレルギー疾患対策関連予算も大幅に増額されました。

 さらに、アナフィラキシーショックへの対応として、「エピペン」の早期承認の推進役を果たしたのも公明党です。05年3月に承認を実現。11年には保険適用を実現しました。

 さらに、同年、アレルギー疾患のある子どもへの対応指針をまとめたガイドラインが小中学校や幼稚園、保育所に配布され、教育関係者に対する積極的な研修の実施も図られてきました。