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政治学習のために/2005年度予算政府案 財政再建へ着実に前進
公明新聞:2005年01月09日付 

 2005年度予算政府案が2004年12月24日、閣議決定された。一般会計総額は04年度当初予算比0.1%増の82兆1829億円。ムダを省いて歳出にメリハリをつけた「緊縮型」になった。今月召集される通常国会に提出され審議が行われ、経済の低迷などで悪化した財政を再建し、急速に進む少子高齢化にどう備えていくのかが焦点になる。財政再建への道筋、介護、子育て支援、教育、雇用対策など、暮らしに身近な事業の内容や公明党の取り組みについて解説する。

Q:ムダは減るのか?
A: 公共事業費や防衛費を削減するなど徹底した歳出の見直しで、ムダを省いたメリハリのある予算案になった。

 一般会計のうち政策的経費である一般歳出は、04年度当初比0.7%減の47兆2829億円と3年ぶりに減少した。 公共事業費は3.6%減の7兆5310億円、防衛費は1.0%減の4兆8564億円にするなど、徹底した歳出の見直しで、ムダを省いてメリハリをつけたのが特徴だ。

 国から地方自治体への補助金削減と税源移譲を行い、併せて地方交付税を改革する「三位一体改革」で、1兆4250億円の補助金が削減された効果も大きい。
 国が使い途を決める補助金が減額される一方で、1兆1160億円が地方に税源移譲される。国の歳出削減効果は3090億円だが、自治体は住民が求める施策を行いやすくなる。

 歳入面では、所得税などの定率減税を半分に縮小するなど、歳出入の両面から財政再建を着実に前進させる。
 税収は、景気回復の兆しが見えていることから、04年度当初比で2兆2600億円(5.4%)増の44兆70億円。4年ぶりの増加を見込む。
 国の借金である国債の新規発行額は、4年ぶりにマイナスになり、2兆2000億円(6%)減の34兆3900億円に抑えられた。

 この結果、予算がどの程度、国債に依存しているかを示す国債依存度は、44.6%から41.8%に3%近く引き下げられた。
 国債発行など借金を除いた歳入と過去の借金の元利払いを除いた歳出の差である「プライマリーバランス」は、約3兆円改善する。04年度に続き2年連続で、財政悪化に歯止めがかかることになった。

Q:暮らしはどうなる?
A:社会保障費は20兆円を超え、介護予防拠点の整備や保育所受け入れ児童数を拡大する。若者の就労支援も拡充する。

 少子高齢化が進む中で、社会保障関係費が04年度当初比2.9%増加し、初めて20兆円を突破した。
 このうち高齢化対策では、高齢者が要介護の状態にならないように、健康づくりを支援する介護予防サービス拠点の整備費を盛り込んだ。

 少子化対策も重要課題に位置づけ、予算総額は約1兆円を確保。保育所の待機児童を解消するため、今年度までの3年間で受け入れ児童を15万人増やし、来年度はさらに5万人増やす。延長、一時、休日、夜間など多様な保育サービスもさらに拡充される。
 幼稚園と保育所を一体化する総合施設のモデル事業を30カ所で実施。総合施設には子育て支援機能も持たせ、親の就労の有無にかかわらず0―5歳の子どもが利用できるようにする。

 雇用対策では、若者の就労を支援するために、就職情報の提供から職業紹介まで、あらゆるサービスをワンストップで提供する「ジョブカフェ」の整備を進める。若年無業者(ニート)を就労訓練する「若者自立塾」も創設する。

 環境対策では、地球温暖化防止へ、温室効果ガスの排出量取引制度を創設する。
 公共事業は、北海道、北陸、九州で整備新幹線の新規着工、関西国際空港2期工事のほか、大都市関連事業に重点的に配分する。市町村主体の再開発を支援する「まちづくり交付金」は600億円増やし、市街地整備全体では30.4%増の2768億円になる。

Q:公明党の取り組みは?
A:マニフェストの実現に全力を挙げ、教育、文化、防災対策などが大きく前進、防犯対策では警察官が大幅増員される。

 公明党は、国民に約束した「マニフェスト123」(政策綱領)の実現に全力を挙げた。
 公明党は概算要求の段階から各省庁に申し入れを行い、財務省原案の内示を受けた復活折衝の段階でも、与党の立場で粘り強く訴え続けた。
 この中で、介護予防拠点の整備や保育サービスの拡充が盛り込まれ、乳がんの検診に有効なマンモグラフィ(乳房X線撮影)の導入も進められることになった。

 教育では、いじめや不登校問題に効果を挙げているスクールカウンセラーの公立中学校への配置を進める。奨学金は無利子と有利子の合計で貸与人員が初めて100万人を突破する。海外留学希望者への貸与枠も2000人に倍増する。
 文化芸術予算は当初、今年度の1016億円を下回る方向だったが、公明党が党を挙げて政府と交渉し、今年度を上回る予算額を確保した。

 復活折衝の段階では、要望しながら減額された政策を中心に32の「重点復活項目」を要求。その結果、すべての項目の予算化を勝ち取った。
 このうち、原案でゼロ査定だった警察官の増員について、国民の安心・安全を確保する観点から、要求通り3500人の増員が認められた。

 農業については、中山間地域への直接支払交付金の事業の継続も決定した。
 公明党は災害対策にも全力を傾けた。公共事業が削減される中で、床上浸水解消対策は10.6%、土砂災害対策は13.5%、それぞれ増額を勝ち取った。今年度の補正予算案では、歳出額の約3割の約1兆4000億円が災害対策費に計上された。

Q:財投、特別会計は?
A:財政投融資は5年連続2ケタ減。特別会計は助成金の整理・統合など合理化を進め、3500億円超の節約をめざす。

 特殊法人や地方自治体に資金を供給する財政投融資は、今年度当初比で16.3%減の17兆1518億円。5年連続で2ケタ減になる。
 地方自治体向けは32.3%減の5兆8900億円と14年ぶりの6兆円割れに。地方税収が回復する見込みから、財投が地方債を引き受ける自治体を絞り込んだ。

 住宅金融公庫や都市再生機構などが、事業を再構築するため、利子(補償金)を支払わずに財投資金を繰り上げ償還することを認める。約2兆円の利子が免除され、15兆円の資金が返済される。
 不透明さが指摘されている特別会計は、助成金の整理・統合など合理化を進める。特別会計全体で3500億―4000億円が節約される。

 産業投資特別会計ではNTT株売却収入を活用した無利子融資を縮小し、労働保険特別会計では、雇用保険3事業の各種助成金の整理・統合で301億円を削減する。
 港湾整備特別会計では、重要港湾105港の事業評価を行い、利用度の低い港湾への投資を39億円削った。