2017年07月14日
熊本地震1年3か月/地盤陥没 阻む自宅再建「ここで暮らせるのか…」


▲狩尾地区の住民から要望を受け、意見を交わす江田氏(右から3人目)ら=6月17日阿蘇市 

阿蘇市狩尾地区 急がれる安全性の確保
江田氏ら公明党 住民支援に奔走

 熊本地震によって宅地を含む地盤陥没や地割れが多発した熊本県阿蘇市。中でも陥没が1メートル超に及んだ狩尾地区の住民は、地盤の安全性に不安を抱きながらも同じ場所での自宅再建を願う。

 発災当初から同地区の窮状を国会で訴えてきた公明党の江田康幸衆院議員は先ごろ、氷室雄一郎県議、森元秀一市議と共に住民のもとを訪れ、要望を受けた。

 大規模な地盤陥没によって上下水道などのライフラインが寸断され、地層部分がむき出しになっていた狩尾地区。今では家屋の公費解体が進み、応急的に舗装された県道も寸断箇所が緩やかな坂道になっていた。

 「今後、ここで安心して暮らせるかどうかの判断材料が何もない。専門家による地盤調査に基づいた安全性が確保されれば……」本震に伴う地盤陥没によって地層がむき出しとなった狩尾地区(昨年4月16日)自宅ごと地盤が約1メートル40センチ陥没した永富傳次さん(70)は、不安と焦りを募らせる。

 現在、身を寄せる「みなし仮設住宅」の入居期限が迫る中、自宅再建の見通しは、いまだ立っていない。「狩尾地区だけが取り残されるようなことがないよう、一日も早い国による地盤調査を」と江田氏らに要望した。

 同地区でも被害の大きい狩尾1区の住民有志はこれまで、市に対して生活再建に向けた支援策を要望してきたが、「前例のない陥没被害に対する国の支援制度がないため、なかなか進展できていない」(市住環境課)のが実情だ。一方、県の復興基金を活用した地盤の復旧工事は可能だが、全額支援ではないため、相応の個人負担が生じる。さらに、個人の宅地で地盤調査を行っても地区全域の安全性の確保にはつながりにくいため、住民は調査に乗り出せずにいる。

 区長を務める阿部政信さん(66)は、「いつまでも行政の支援を待って二の足を踏んだままではいけない。われわれもある程度の個人負担を覚悟してでも一致団結して前に進まなければ」と語気を強めた。発災当初、同地区では地盤沈下の影響で解体せざるを得ない家屋のうち、損傷の少ないものは国が定める被害認定において半壊以下の区分となり、行政支援の対象とならない事態が発生。

 江田氏ら公明党の訴えによって認定基準の見直しが行われ、一部損壊だった永富さんの自宅は全壊認定へと見直されたという。この日も住民の切実な声に一つ一つ耳を傾け、「県や市とも連携しながら国に働き掛けていく」と応じた江田氏ら。帰り際に住民の一人が語った「何度も足を運んでくれるのは公明党だけ」との言葉に、“何とかしてほしい”との切なる願いが込められていた。
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